プロジェクトアイテム同士を自在に紐づけ – 参照リンク
アイディアや仮説、補足情報を記録 その3
対応バージョン: NVivo 14、NVivo R1(2020) / NVivo 12をお使いの方はこちら。
NVivoは分析対象となるファイル(テキスト、PDF、アンケート、音声・動画等)とともに、自身のアイディアや疑問を書き留めたり、作業内容や考察の下書きをしたりするための機能を提供しています。
- 注釈 – 資料の余白にメモを書き込む(NVivo 12はこちら)
- メモリンク – ファイル、ノード、ケースと補足情報を紐づけ(NVivo 12はこちら)
- 参照リンク – プロジェクトアイテム同士を自在に紐づけ(NVivo 12はちら)
これらの機能を紹介する3回シリーズ最後となる今回は[参照リンク]です。
[メモリンク]では、メモ全体とプロジェクトアイテムをリンクしました。[参照リンク]はアイテム内の部分と部分(あるいは全体)を紐づけることができます。
ここではよくある使い方として、メモに自身の覚書や考えをまとめながらその根拠となった元データの一部分へリンクする方法を紹介します。
従業員へのインタビューをコーディングしていく中で、人事制度について担当部署に確認したい点をメモに書き留めています。確認事項と、その元となったインタビューの関連個所を[参照リンク]で紐づけていきます。
まずは「人事に確認したいこと」というメモを作成しました。
ここにインタビュー内容で疑問に思った点などを記録していきます。その上でこのメモ内のテキストの一部と、インタビューの一部分をリンクさせていきます。
(メモ作成参考:メモリンク – ファイル、ノード、ケースと補足情報を紐づけ)
作業しやすいようにメモ「人事に確認したいこと」をドック解除し、インタビューと並べて表示しています。
メモには疑問に思った点が箇条書きされています。それぞれの点を疑問に感じた元となる発言部分を参照リンクとして紐づけていきます。操作手順としてはリンク先のインタビュー(回答者002)の該当部分をコピーし、リンク元のメモに[参照リンクとして貼り付け]します。
まずは部署の残業時間に関して話している部分を選択し、右クリック→[コピー]。
メモ「人事に確認したいこと」内でリンク元としたいテキストを選択し、右クリック→[参照リンクとしてペースト]。
リンク元であるメモの下部に参照リンクが表示されました。
下に表示されている参照リンクのリストは、リボン[メモツール]で表示/非表示を切り替えられます。
テキストだけでなく、動画や画像などともリンクできます。
これでメモの中に書かれた項目と、それに関連する他アイテムの部分とが[参照リンク]で紐づけられました。
参照リンクのリストで選択した行をダブルクリックするとリンク先を開くことができます。
メモ中で参照リンクを貼り付けた箇所または、参照リンクリストで右クリックすると、リンク先アイテムを開く/参照リンクを編集/参照リンクを削除できます。
ナビゲーションの[ノート¥参照リンク]から、プロジェクト内の参照リンクの一覧を確認することができます。
この一覧中からもリンク先アイテムを開いたり、参照リンクを削除したりできます。
また、印刷時に[参照リンク]に☑をしておくと、リンク先の該当箇所を合わせて印刷することができます。
リンク元に参照番号がふられ、それぞれのリンク先コンテンツが表示されます。
参照リンクはさまざまなアイテムや部分を柔軟に繋げられますので、見落としを防いだり、後で検証する際の労力を省いたりすることができます。
リンク元(ここではメモ)に画像を使ったり、動画の一部分やアイテム全体をリンク先にしたり、色々と試してみてください。
参考 – MAXQDA 2020 新機能ハイライト
[メモ]機能を大幅に拡張 – メモリンク