MAXQDA 2020を使い始めてみる
ここではMAXQDA 2020 Analytics ProをWindows 10上で使用していますが、MAXQDAはMacとWindowsで同じインターフェイス、同じ機能を提供していますので、Macでお使いの方にも参考にしていただけます。
1. 新規プロジェクトを開始する
まずはとりあえず使い始めてみましょう。
MAXQDA2020のアイコンをダブルクリックして起動します。
MAXQDAで研究・調査を進めるにあたりまず必要なのは、[プロジェクト]と呼ばれるファイルの作成です。取り組んでいる研究に関わるデータや作業内容をすべて保存するファイルをMAXQDAではプロジェクトと呼びます。
初期画面から[新規のプロジェクト]をクリック。
保存場所を選び、ファイル名を入力して[OK]。
新規プロジェクト「練習用プロジェクト」が作成されました。
2. データをインポートする
[インポート]タブからインポートしたいファイルの種類を選択します。
発言者名のついた書き起こしやアンケートデータなどは、ファイル形式がテキストや表(Excel)であっても読み込み手順が異なるので要注意です。
今回は[テキスト、PDF、表]をクリックしてインポートを進めていきます。
インポートするファイルを選択して[開く]。
インポートが完了しました。
もくは、ドラッグ&ドロップでもインポート可能です。
ダブルクリックで文書を表示します。
Hint
MAXQDAのユーザーインターフェイスは、以下のように4つのウィンドウで構成されています。それぞれのウィンドウの表示/非表示、4つのウィンドウどう配置するかは、メニューの[ホーム]タブで指定できます。
3. 取り込んだデータを整理する(コーディング)
インポートしたデータの一部分(MAXQDAでは[セグメント]と呼びます)を選択しコードに割り当てます。
ここでいうコードは、テキストや画像、音声などの一部分を切り出し、その内容に名前をつける一種のラベルと考えるとわかりやすいと思います。MAXQDAのコード名には最長63文字まで使用できるほか、色や表情などのアイコンにコードすることもできます。
コーディングしたい部分を選択します。最初は文書ブラウザの上部に表示されるボタンを使うのが分かりやすいと思いますが、右クリックからの操作も可能です。
[新規のコードでコーディング]のボタン(もしくは右クリックメニュー)をクリック。
新規コードの名前を付け[OK]。色の指定や説明(コードメモ)の記載も可能です。
コーディングを進めた後に視覚化する際、ここで指定したコードの色を使用しますので、分かりやすいように指定しておくことをお勧めします。
選択した部分がコード「キャリア」にコーディングされました。文書ブラウザのコーディングストライプでコーディングされていることが確認できます。
次に、すでに作成されているコード「キャリア」に別の部分をコーディングしてみます。
コーディングしたい箇所を選択して、[コードシステム]中のコード「キャリア」にドラッグ&ドロップまたは逆に、コード「キャリア」を選択肢た箇所にドラッグ&ドロップします。
または、文書ブラウザ右上のクイックリストも使用できます。
先にコードを作成しておくこともできます。
[コードシステム]のボタンまたは、右クリックメニューからを[新しいコード]クリックします。
もしくは、コードを作成したい場所にカーソルをホバリングすると表示される「+」マークをクリックしても作成できます。
名前を付けて[OK]。
新規コードが作成されます。上の手順で作成したコードにコーディングしていくことができます。
4. コーディングされている内容(セグメント)を確認する
コーディングされている内容(セグメント)を確認してみましょう。確認したいコードをダブルクリックします。
[コード付きセグメント]が開き、セグメントの一覧が表示されます。
一覧から見たいセグメントをクリックで選択すると、上部に全文が表示されます。また同時に元文書も連動し、該当箇所がハイライトされます。
または、文書とコードを[アクティブ化]し、[検索済セグメント]で確認することもできます。
Hint
[アクティブ化]とは
MAXQDA開発元が提供している「MAXQDAクイックスタートガイド」には次のように書かれています。
「[アクティブ化する]はMAXQDAの中心的なコンセプトです。これはあなたが文書(およびコード)を次につながる分析機能のために選択して、選択したそのアイテムだけを対象にして作業することを可能にします。」
ごく大まかに言うと、[アクティブ化]とは、検索や処理の対象となる文書(ファイル)やコードを選択することです。
文書、コードはアイコンをクリックするとアクティブ化されます。アクティブ化されたアイテムは赤字+赤い矢印が表示されます。
メニュー[ホーム]タブから[検索済セグメント]をウインドウを表示させます。
文書システムの文書 7件と、コード「キャリア」をアクティブ化しました。選択した文書内でコード「キャリア」にコーディングされている部分(セグメント)が、[検索済セグメント]に表示されます。また、ステータスバーにはアクティブ化されている文書とコードの数、検索済セグメントの数が表示されています。
検索済セグメントのストライプをクリックすると、全てのウィンドウが連動して該当箇所が示されます。
上記の作業を繰り返すことによって、データのコーディングを進めていきます。このようにデータを整理しておくことで質的研究に必要とされるデータとの対話を容易に行うことができるようになります。