In Vivo コーディング
NVivoやMAXQDAなど、質的なコーディングをするソフトウェアの多くには「In Vivoコーディング(コード)」という機能があります。「In Vivoコーディング」という言葉はグラウンデッド・セオリー研究からきており、インタビュー対象者が使用した顕著な言葉・用語をコードとして捉えるべきという考え方です。
そのため「In Vivoコーディング」では、研究者・分析者が言葉を選びコード名をつけるのではなく、対象者が使用した言葉(よくある例としては方言や専門用語)をそのままコード名として扱います。
今回は、NVivoとMAXQDAのIn Vivo コーディング操作方法を紹介します。
上記のような使用方法だけでなく、文献や資料、ツイートなど多くのテキストを読んでいる時に、気になる部分をとりあえずIn Vivo コーディングしておき後で見直すようにするなど、操作を簡単にしたり効率をあげたりする使い方もできるかもしれません。
In Vivo コーディングで作成されたコードは、コード名の変更など含め通常のコードと同様に操作できます。
ちなみに、「in vivo(イン・ビボ)」の由来はラテン語で「生体内の」という意味です。対義語となる「in vitro(イン・ビトロ / ガラスの中の・試験管の中の)」に対し、人為的にコントロールされていないという状態を指すようです。
MAXQDAの場合
- 文書ブラウザでテキストを選択
- In Vivo コーディング
In Vivoコーディングには以下の3つの方法が使えます。
- 文書ブラウザのツールバー
- 右クリック→[インビボ]
- ショートカットキー( Alt-I (Windows) / Command-Option-I (Mac))
選択した文字列がそのままコード名となり、選択部分に割り当てられます。
MAXQDAのコード名に使える文字数は最大63文字です。
それ以上の文字数を選択しIn Vivo コーディングした場合は、以下のようになります。
- 選択したセグメントの先頭から63文字がコード名となる(下画像の文書ブラウザ黄色下線の部分)
- 選択したセグメント全体がコードに割り当てられる
NVivo Mac (R1) の場合
- 詳細ビューに開いたファイルでテキストを選択
- In Vivo コード
In Vivoコーディングには以下の3つの方法が使えます。
- リボン[ホーム]→[In Vivo コード]
- 右クリック→[In Vivoコード]
- ショートカットキー(OPTION+Command+9)
NVivoでIn Vivoコードのコード名に使用できる文字数は最大256文字です。
それ以上の文字数を選択しIn Vivo コーディングした場合は、以下のようになります。
- 選択したセグメントの先頭から256文字がコード名となる(下の詳細ビュー黄色の下線部分)
- 選択したセグメント全体がコードに割り当てられる
NVivo Windows (R1) の場合
- 詳細ビューに開いたファイルでテキストを選択
- In Vivo コード
In Vivoコーディングには以下の5つの方法が使えます。
- リボン[ドキュメント(またはPDFなど)]→[In Vivo コード]
- 詳細ビュー上部のツールバー[コード▼]→[In Vivo コード]
- 右クリック→[In Vivoコード]
- 詳細ビューカブ[クイックコーディングバー]→[In Vivoコード]ボタン
- ショートカットキー(CTRL+F8)
NVivo Windowsの場合も、In Vivoコードのコード名に使用できる文字数は最大256文字です。
(上限文字数以上を選択した場合、エラーのため操作を完了できませんでした(2022/5/10))
参考:
MAXQDA Tip of the month: In-vivo coding
MAXQDA 2022 Manual – Further Ways of Coding
NVivo Mac Help – Manual coding techniques
NVivo Windows Help – Manual coding techniques