NVivoを使い始めてみる(R1/NVivo 14)
新しいソフトウェアを使いはじめる際、最初のとっかかりで苦労することがあると思います。
NVivoは一つの機能を使うにも、いくつか操作方法が用意されていることがありますが、ここではそれらを網羅するのではなく、まずはとにかく操作してみながらNVivoに慣れていくことを目指します。
この投稿はNVivo Windows (Release1.6.1)で作成していますが、NVivo 14でもほぼ同様に操作できることを確認済みです。NVivo Macの場合、画面の見た目は異なりますが、使える機能はほとんど同じです。
※ NVivo 12 for Windowsをお使いの方はこちら
プロジェクトを新規作成する
NVivoで研究・調査を進めるにあたりまず必要なのは、プロジェクトと呼ばれるファイルの作成です。取り組んでいる研究に関わるデータや作業内容をすべて保存するファイルをNVivoではプロジェクトファイルと呼びます。
NVivoを起動し[新規プロジェクト]をクリック。
プロジェクトタイトルをつけ保存場所を指定、必要に応じてプロジェクトの説明加えておきます。
また、[ユーザーアクションのログを記録する]にはチェックを入れておくことをおすすめします。(ログは万一トラブルが起きた際の調査などで使われることがあります)
その他のオプションもここで指定します。[テキストコンテンツの言語]は、[頻出語クエリ]や[自動コード(テーマ・感情を指定など)]を使用する際には言語ごとの辞書などを参照するため、ここで指定しておきます。(テキストコンテンツの言語はプロジェクト作成後でも、[ファイル]→[プロジェクトプロパティ]から変更できます)
新規プロジェクトが作成されました。最初にNVivoの概要を紹介する「クイック・ツアー」が表示されます。視聴しない場合は右上の[スキップする]をクリックしてください。
画面の構成と各スペースの名称
NVivoは、左側のナビゲーションで表示するフォルダを選択し、操作メニューはリボンにまとまっています。
- リボン:画面上部のメニューで機能ごとにタブにまとまっている
- ナビゲーション・ビュー:フォルダのリスト
- リストビュー:ナビゲーション・ビューで選んだフォルダ内のアイテムのリスト
- 詳細ビュー:開いたアイテムの内容
- 詳細ビューツールバー:詳細ビューの操作に使える機能を集約
- クイックコーディング・バー:あるコードに繰り返しコードする際に便利
ファイルのインポート
ナビゲーションビュー[ファイル]にインポートされます。サブフォルダを作成したい場合はナビゲーションビュー[ファイル]の上で右クリック→[新規フォルダ]。
メニュー[インポート]→インポートするファイルの種類を選択、指示に従ってインポートします。ナビゲーション[ファイル]のリストビューにインポートしたファイルが表示され、ダブルクリックで詳細ビューに開きます。
ファイルは読み取り専用で開きますが、詳細ビューのツールバー[編集]をチェックすると編集できるようになります。(ファイルの種類によっては編集できないものもあります; 例: アンケートなどのデータセット)
コーディング
NVivoは特定の方法論など特化したソフトウェアではありません。研究者が自身の方法論、アプローチに応じて使い方決めていただく汎用的なソフトウェアです。コーディングも
- あらかじめコードを用意してデータを当てはめていく
- データに基づいてコードを作成、割り当てていく
のいずれも可能です。また、効率よくコーディングするための機能もいろいろと提供されていますが、ここでは基本的な操作だけを紹介します。
コーディングを進めるにあたり、ナビゲーション・ビューは[コード]にしておきます。また、コーディング状況がわかりやすいように、詳細ビューの[コーディングストライプ]をクリックし、右側に表示しておくと良いかもしれません。
コードの作成
メニュー[作成]→[コード]または、リストビューで右クリック→[新規コード]。新規コードのウィンドウが表示されるので、名前をつけたり、必要に応じて説明の入力や色の割り当てをします。名前や色は後で変更可能です(コードで右クリック→[コードプロパティ])
テキスト選択してコードに割り当てる
ドラッグ&ドロップ
直感的にわかりやすい方法です。新たなコードを作成して割り当てたい場合はコードのリストビュー下部の余白にドロップします。
*NVivo Macの場合: 余白へのドロップは使用できません
クイックコーディング・バー
直前のコードに1クリックでコーディングでき、一つのテーマに注目しコーディングしていく場合に便利です。
*NVivo Macの場合: 使用できません。右クリック→[選択部分をコード]→[(直近のコード名)]を選択します。
右クリック
データの一部分を選択して右クリックし[選択部分をコード]。コードリストが表示されますので、コーディングしたいコードを選択します。複数のコードを選択し一度にコーディングしたり、新規コードを作成してコーディングしたりすることもできます。
*NVivo Macの場合: 右クリックで表示されるメニューから[選択部分をクイックコード]を選択すると同じようなリストが表示されます。または、[選択部分をコード]→ [新規のコードで]/[既存のコードで]などから選択します。
コーディングの解除
コーディングを解除したい場合は、対象となる箇所を選択し右クリック→[コーディング解除]。または、コーディングストライプで右クリック→[コーディング解除]。
コードを割り当てたリファレンスの確認
コードをダブルクリックするとリファレンス(コードを割り当てたデータの一部分)を表示できます。これは元のファイルにリンクしていますので、元ファイルに戻り前後の文脈を確認したりできます。コードを開いた上でさらにコーディングも可能(コード・オン)ですので、インタビューで大きなテーマごとのコードにまず整理しておき、そのコードを開いて内容を細分化していく場合などに便利です。
参考:
MAXQDA 2022 初めの一歩 – 使い始めてみる
MAXQDA 24 を使い始めてみる