フィールドノートをMAXQDAに移行する:デジタル・エスノグラフィー・リサーチ例

MAXQDA Research Blog 翻訳版

Guest Post by Melinda González(Monday, May 13, 2019)

フィールドワーク日記初回の投稿は、ハリケーン・マリアがプエルトリコを襲った後のプエルトリコ、ニューヨーク、そしてデジタルメディア(ツイッター、フェイスブック、インスタグラム)の3つのフィールドサイトにまたがたるプロジェクトを要約することから始めました。

この投稿では、ニューヨーク市ハーレムのショームバーグで開催された The 7th Annual Black Comic Book Festival というイベントに参加した後、収集したすべてのフィールドワークデータをどう扱ったかに焦点を当てます。データ収集と分析には、MAXQDA 2018.2を使用しました。

: Twitter API アクセスレベルの変更により、2023429日からTwitterのインポート機能は使用できなくなります(2023.4.27)

The 7th Annual Black Comic Book Festival
フィールドノートの収集

ブルックリンを拠点に活動する画家であり詩人でもあるサラ・セラーノによるパネルディスカッションが、ハリケーン・マリアのフェスティバルで実施されることを知らされました。そこにはプエルトリコ文学の3人の重要人物が出席する予定でした:「When I was a Puerto Rican」の作者であるエスメラルダ・サンティアゴ、「La Borinqueña」の作者であるクリスタル・ベラスケス、そしてグラフィック小説「La Borinqueña」の作者であり、コミック本コレクションRicanstruction: Reminiscing and Rebuilding Puerto Rico」のキュレーターでもあるエドガルド・ミランダ・ロドリゲスです。

サラ・セラーノと私は「AfroPuertorriqueños:コミックにおける文化的および社会的アクティビズム」と題されたパネルディスカッションにちょうど間に合うよう、2019年1月18日金曜日にショームバーグで落ち合いました。パネルディスカッションの名称は、開発と、ミランダ・ロドリゲスと作家たちがコミック本からの収益をどのように復興活動支援に使用するかを反映し、「Ricanstruction:プエルトリコの回想と再建」に変更されていました。

彼らは「若者、女性、コミュニティメンバー、そして環境関連のプログラムを通じ、島の再建と復興に英雄的に取り組んできたプエルトリコの9つの草の根組織のそれぞれに10,000ドルの助成金を授与するLaBorinqueñaGrants Program」を設立しました。

パネルディスカッションの間、私はフィールドノートを記録し写真を撮影しました。これらは帰宅した後に、MAXQDAに移行されました。

ニューヨーク州ニューヨーク市ショームバーグでのパネル、2019年1月(Melinda González撮影)

フィールドノートをMAXQDAに移行

最初にしたことは、MAXQDAの[作業記録]を開き、私のフィールドノートを書き留めることでした。 次に、写真をインポートしました(下のスクリーンショットを参照)。 写真はこの取り組みにおいて非常に重要でした。なぜなら、芸術と活動主義、そしてハリケーン・マリア以降継続する課題に注意を向けさせるために使用された画像や、こうした取り組みに対する重要な動機付けの視覚的表現に焦点を当てていたからです。

顔文字コード(emoticode)

写真を取り込み、コードのコーディングを開始しました。 MAXQDAの顔文字コード(emoticode®)および、カラーコーディング(ハイライト)機能を使用して、多くのコーディングを開始します。 初期のデータ分析段階ではコードを多く作成しすぎることに気付いていました。そこでemoticodes®を使うことで、膨大な量のデータに圧倒されることなく、より簡単に初期の分析を実施することができました。

MAXQDAの絵文字コード(Emoticodes®)

絵文字コードを使用してフィールドワークデータをコーディングしてから、各画像で示されている内容を説明するメモを作成し始めました。 これにより、後からMAXQDAを使用した[語彙検索]を簡単に実行できるようになります。 後のデータ分析のためには、画像を説明する記述をしておくのが最善の方法だとわかりました。

すべての画像をコーディングした後、重要なテーマを作業記録に書き留めました。MAXQDAの[ワードクラウド]でこれを視覚的に確認できることを本当に感謝しています。 この視覚化により、プロジェクト全体で頻出している単語を見ることができ、これらの単語は後にコードになり、研究のさまざまな形式の視覚的表現を可能にします。 カンファレンスのプレゼンテーションでは特に役立ちます。

デジタル・エスノグラフィーにMAXQDAのWeb Collectorを利用

デジタル・エスノグラフィーにも取り組んでおり、Web CollectorツールでWebページをMAXQDAに取り込むことでさらなる分析が可能です。コミックフェスティバルのFacebookイベントページを対象に行いました。また、ハッシュタグ#laborinquenaおよび#ricanstructionを検索し、より多くのデータを得ることができました。

意欲的な研究者のみなさま、デジタル・エスノグラフィーに取り組む際は十分注意してください。どこまでも無限に続く可能性があるので、ご自身で境界を設定しておくようご注意ください!

MAXQDA上のソーシャル・メディアデータの検索済セグメント

Web Collectorを使用するには、ブラウザ(私の場合はGoogle Chrome)にプラグインをインストールする必要があります。Webページに行き、プラグインをクリックするだけの簡単操作で、WebサイトがMAXQDAに保存されます。

Web Collectorには3つのモードが提供されています:

  • Webページ全体を保存します。レイアウトは保持されます。
  • Webページを簡素化して保存します。Webサイトはテキストと主要な画像だけに縮小されます。
  • Webサイトの選択したセクションだけが転送され、選択した部分だけを保存します。

MAXQDA Web Collector

 

MAXQDAのツイッターデータインポート

そのうえさらに、MAXQDAがツイッターデータをインポートでき23のボタンをクリックするだけで自動コード化できることに、最も感謝していると言わせてください!

注:Twitter API アクセスレベルの変更により、2023年4月29日からTwitterのインポート機能は使用できなくなる可能性があります(2023.4.27)

今後の予定

これらのさまざまなツールを使用することで論文を書くのがはるかに簡単になり、2020年8月の締め切りに間に合いそうです。 私のフィールドワークは動きが速く、時には、参加したすべてのイベントや蓄積したデータを追跡するのが難しい場合があります。 MAXQDAのソフトウェアを使いこれら資料をすべて集めておけることに救われています。

私のフィールドワーク日記最後のエントリではプロジェクトでの最新の取り組み、ハリケーン・マリア被災者支援の最前線であり、避難者がサービスを受けられるよう擁護を継続している New York Disaster Interfaith Service (NYDIS)でのボランティア活動に焦点を当てます。

プエルトリコから来た多くのハリケーン・マリアの被災者は、嵐からほぼ1年半たった今も、ホームレスの避難所で不安定な状況の中にとどまっています。 NYDISがこれらの課題にどのように立ち向かっているか、MAXQDAのソフトウェアが彼らの取り組みを記録するのにどのように役立っているかについてお話しする予定です。

Editor’s Note

Melinda Gonzálezは、MAXQDAの2018 #ResearchforChange Grantの受賞者です。Melinda Gonzálezは、米国ルイジアナ州立大学のGeography and Anthropology on a Cultural Anthropology Trackの博士号候補です。 「Rhyming Thru Disaster:Community Organizing in Puerto Rican Poetic Spaces after Hurricane Maria」というタイトルの研究プロジェクトは、2018年7月にプエルトリコとニューヨークで開始されました。 彼女の最後のフィールドワーク日記エントリは近日公開予定です。

 

このサイトをフォロー

質的データ分析研究会の最新情報を受け取る

月1~2回、本サイトの更新情報、質的研究や混合研究法、ツールの使い方、イベント情報などEmailで受け取ることができます。