京大地理学者、なにを調べに辺境へ?

京大地理学者、なにを調べに辺境へ?
世界の自然・文化の謎に迫る「実録・フィールドワーク」

水野 一晴 著
単行本: 400ページ
ベレ出版 
言語: 日本語
ISBN-10 ‏ : ‎ 4860647637
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4860647636
発売日:2024/4/17

書籍内容

本書は、これまで50ヵ国以上を訪れた地理学者の京大名誉教授が、調査・研究のために旅して得られた地理学的知見を、現地で遭遇した様々な体験を交えて語った「実録・フィールドワーク」です。アフリカ・アンデス・絶海の孤島・ヒマラヤ地域などを訪れ、ふつうに暮らしていては体験できないフィールドワークの現場を描きつつ、それぞれの地域の自然・文化・社会の実態を明らかにしています。地理学者はいったいどんなことを調べているのか? それで何がわかったのか。強盗に遭ったり、車が横転したりしながらも、好奇心のおもむくままに調査・研究に突き進んだ著者の悪戦苦闘のフィールドワーク冒険記です。

目次

はじめに

  1. ブレーキの壊れたルノーで調査!?
    カメルーン北部の半乾燥地における地質と住居の建て方の関係とは?(1999年)
  2. ザンジバルの美しい珊瑚礁と世界遺産の旧市街地はかつて奴隷貿易の拠点だった
    イスラーム信仰と地域社会をザンジバル(タンザニア)で探る(1992〜2023年)
  3. 昼は熱々、夜は寒い。ナミブ砂漠の満天の星の下での晩酌は最高だ!
    ナミブ砂漠に生育する植物やその生態、それを取り巻く住民生活を探る(2001年)
  4. テント・冷蔵庫付きの四輪駆動車でナミビア全土を駆け巡る
    初めて科学研究費を獲得してナミビアで研究プロジェクトを始める(2001年)
  5. 日中の砂丘の地表面は熱したフライパンのようだ
    クイセブ川の環境変遷を探る(2001年)
  6. イスラーム指導者のマラブーはまるで芸能人のようだ
    イスラーム信仰と地域社会をセネガルで探る(2001年)
  7. ナミブ砂漠の涸れ川沿いの河畔林が大量枯死しているのはなぜ?
    大学院生たちとの「ケニア縦断空の旅」とナミビアでの調査地探し(2002年)
  8. ゾウの鼻で身体を吹き飛ばされても調査を続ける院生
    ナミブ砂漠で砂漠ゾウの調査に挑む(2004年)
  9. よちよち歩きのペンギンを見ながら自転車をこいで喜望峰へ
    ケープタウンの特異な植物区系界を調査する(2004年)
  10. 窓がなく、ネズミが走り回る石造りの家を借りて調査する院生
    南アフリカ共和国の中にある小さな山岳国レソトでの調査(2005年)
  11. ヤギ放牧とシロアリ塚の不思議に迫る
    院生たちの調査地探しでナミビア全土を回る(2006年)
  12. 夏は土砂崩れ、冬は積雪と格闘しながら車で山を登る
    ヒマラヤの神秘の大地アルナーチャルで調査を始める――森林とヤク放牧(2007〜2009年)
  13. 点在するゾン(城塞)の設立の謎に迫る
    ヒマラヤの神秘の大地アルナーチャルでの調査(2010年)
  14. 少年を生け贄にして悪霊に捧げる儀式とは!?
    ヒマラヤの神秘の大地アルナーチャルでの調査――精霊崇拝とポン教、チベット仏教(2011年)
  15. ブリザードで立ち往生、インド軍に救出される
    ヒマラヤの神秘の大地アルナーチャルでの調査――トイレのしくみ(2013年・2017年)
  16. 湖沿いの細長い国マラウイは道路を横断すれば隣国だ
    マラウイの亜熱帯疎林ミオンボ林での調査(2007年)
  17. 炎天下のイスラーム世界の神秘とネームタグが生んだ奇跡
    イスラーム信仰と地域社会をチュニジアで探る(2008年)
  18. 冷たいビールを飲むために毎日隣国まで買いに行く
    ギニアの熱帯林でチンパンジー、植生、土壌の調査(2009年)
  19. 温暖化で山を登る可憐な永久花を見つける
    ケニア山・キリマンジャロでの調査(2009年)
  20. 人と文化がカヌーで長距離伝播していった太平洋の島々
    太平洋諸島(タヒチ、ラパヌイ、パラオ)での調査(2011年・2012年)
  21. 高山病と交通渋滞に悩まされながらアンデスの氷河に通う
    再びアンデスで調査する――氷河と植生とリャマ・アルパカ放牧(2012年〜2014年)
  22. ナミブ砂漠に自生するナラメロンの種子の価格が高騰!
    ナミビアで院生たちの調査地を探す(2012年〜2014年)
  23. ASAFASから文学研究科に異動し、ケニア山で研究プロジェクトを開始する
    再びケニア山に登る――院生の初めての調査(2015年)
  24. ナイロビ最大の人口100万人以上のスラムには公立学校が1つもない
    ナイロビのスラム街の変化と学校教育を考える(1998年・2002年・2015年・2022年)

引用・参考文献

おわりに

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