アンラーニング質的研究: 表象の危機と生成変化

アンラーニング質的研究
表象の危機と生成変化

楠見 友輔 著
単行本: 312ページ
新曜社 
言語: 日本語
ISBN-10 : 478851849X
ISBN-13: 978-4788518490
発売日:2024/7/1

書籍内容

質的研究は幅広い分野に拡大し、豊かな実践を生み出している。その一方で、方法は知らず知らずのうちに形骸化し、必要とされる変化を閉ざしてしまう可能性がある。質的研究を「アンラーニング(学びほぐし)」し、問いを創出しつづけるための本。

異なる未来をひらくための方法論

質的研究に関する書籍は数多く出版されており、質的研究を学び、実践する土壌は広がり続けている。
その一方で、方法は知らず知らずのうちに形骸化し、新しい変化を拒み、抑圧の構造を再生産してしまう可能性がある。
質的研究を「アンラーニングする(学びほぐす)」営みの先にあるものとは?
貯めることなくとい、質的研究を創出し続けるために。

本書帯より

目次

はじめに
第1章 アンラーニング質的研究
 1 質的研究の型
 2 共に学ぶ
 3 質的研究を開く

第2章 質的研究の伝統
 1 質的研究の特徴
 2 社会構成主義というパラダイム
 3 伝統の型をほぐす

第3章 質的研究の変化
 1 変化している質的研究
 2 表象の危機
 3 表象の危機によって何が生じたか
 4 ポストモダニズムの受容

第4章 質的研究の弱体化に抗う
 1 正当性の危機
 2 厳密さを巡る議論
 3 監査文化への抵抗
 4 監査文化と質的研究

第5章 社会問題を扱う質的研究
 1 マイノリティ
 2 社会構成されたアイデンティティ
 3 証拠をめぐる政治
 4 専門家のジレンマ

第6章 質的研究者の倫理
 1 倫理
 2 権力関係を分析する
 3 上に向けての研究

第7章 質的研究者のポジショニング
 1 質的研究を「書く」こと
 2 研究者のポジショニング
 3 中立性から逃れて書く

第8章 ラディカルに変化する質的研究
 1 参加型アクションリサーチ
 2 オートエスノグラフィ
 3 アーツベースドリサーチ
 4 逸脱することの意義

第9章 質的研究の新たな展開
 1 存在と認識における科学的常識の変化
 2 質的研究のポストを目指す動き
 3 倫理-存在-認識論

第10章 ポスト質的研究
 1 「ポスト質的研究」の含意
 2 質的研究の生成変化
 3 方法論なき方法論
 4 ポスト質的研究を拓く

結び(consummation)

エピローグ
文献
索引

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