災害対応と近現代史の交錯
災害対応と近現代史の交錯
―デジタルアーカイブと質的データ分析の活用―
佐藤 慶一 著
単行本: 360ページ
共立出版
言語: 日本語
ISBN-10 : 432000616X
ISBN-13 : 978-4320006164
発売日:2024/4/3
書籍内容
災害対応と近現代史の関係を探求した社会情報学の新展開
本書の特長は、デジタルアーカイブや質的データ分析を活用しながら、災害対応を歴史や社会を考えるツールとしようとしたことである。第Ⅰ部「災害対応を通じて社会状況・構造をながめる」では、中世ペスト、ロンドン大火、リスボン地震、関東大震災、太平洋戦争、東日本大震災・福島原発事故といった巨大災害を扱い、前後の社会状況・構造との関係性を探索した。第Ⅱ部「質的データ分析による探索」では、インターネット検索、日米の新聞記事、日米の専門家へのインタビュー、思想や映画との関連から、東日本大震災の社会的影響や災害の社会的意味づけについて考察を重ねた。
巨大災害の時代を迎えた現在、災害と歴史や社会との関係性や、災害の社会的意味づけを考えていくことが求められている。災害対応に興味がある方だけでなく、広く日本研究や現代社会に関心を持つ多くの学生や社会人の方々に手にとっていただき、災害や危機を通じた人間や社会の変化・移行について考えるきっかけとなることを願っている。
ハーバード大学日本災害デジタルアーカイブ特設ページ
https://jdarchive.org/ja/resources/research/sato-collections
目次
第1章 プロローグ
第Ⅰ部 災害対応を通じて社会状況・構造をながめる
第2章 歴史的な世界の巨大災害
第3章 近代日本と災害対応の歴史
第4章 戦後日本と防災の歴史
第5章 東日本大震災と平成時代の終焉
第Ⅱ部 質的データ分析による探索〜東日本大震災に関する記録や語りを辿る〜
第6章 東日本大震災についてメディアに記されていたこと
第7章 日米専門家たちは何を語ったのか?
第8章 災害と思想や文化の関連