乳幼児虐待予防のための多機関連携のプロセス研究
質的研究法M-GTA叢書2
乳幼児虐待予防のための多機関連携のプロセス研究
――産科医療機関における「気になる親子」への気づきから
唐田 順子 著
単行本(ソフトカバー) 160頁
出版社: 遠見書房
言語: 日本語
ISBN-10: 4866161620
ISBN-13: 978-4866161624
発売日:2023/4/10
書籍内容
本書は、産科医療機関において、妊娠・出産・子育てのスタートを支援する助産師・看護師がいかに子ども虐待予防の一端を担っているかを示したものです。子ども虐待の死亡事例は0歳の乳児が最も多く、産科医療機関退院後も親子を継続的に支えてゆくためには医療と保健・福祉機関との連携が必要になります。M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いた分析によって見えてきた、看護職者が「気になる親子」を見つけてから多機関との連携を形成発展させてゆくプロセスとは。本書の研究は子ども虐待予防のために日々現場で奮闘している看護職の方たちの参考になることでしょう。
また、質的研究法学習者のために、概念生成やカテゴリー化などM-GTAの分析過程を詳述しました。大好評の「質的研究法M-GTA叢書」シリーズ第2弾。
<はじめに より>
本書は日本看護研究学会から発表された『産科医療機関の看護職者が「気になる親子」への気づきから他機関との連携が発展するプロセス』(唐田ら,2014~2019)の4本の論文を中心に、研究の始まりから理論の実践的応用に至るまでをまとめたものである。まだ虐待が発生していない段階で女性や家族と出会い、妊娠・出産・子育てのスタートを支援する助産師・看護師(以下,看護職者)は,子ども虐待の「予防」の一端を担える専門職であるといえる。本書の内容が現在,産科医療機関の現場で日々奮闘されている、「気になる親子」に遭遇される看護職者の参考に少しでもなれば幸いである。また、これからM-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いて分析を試みたいと考えておられる方々に向け、私が行った分析の手順の軌跡をたどれるよう、私なりのM-GTAの解釈についても最終章にまとめた。参考にしていただけたら幸いである。
目次
- 第1章 研究の背景・目的と研究方法の選択
- 第2章 研究の枠組み
- 第3章 研究1
産科医療施設(総合病院)の看護職者が「気になる親子」を他機関への情報提供ケースとして確定するプロセス - 第4章 研究2
産科医療施設(総合病院)の看護職者が「気になる親子」の情報を提供してから他機関との連携が発展するプロセス - 第5章 研究3
産婦人科病院・診療所の看護職者が「気になる親子」を他機関の情報提供ケースとして確定するプロセス - 第6章 研究4
産婦人科病院・診療所の看護職者が「気になる親子」の情報を提供してから他機関との連携が発展するプロセスおよび「連携」の発展過程の検討 - 第7章 理論を活用した教育プログラムの開発・実施と参加者の反応―理論の実践的応用―
- 第8章 本研究を通じたM-GTAの分析解説