スタイルまたは構造を使用する自動コード
NVivoの自動コード機能をご紹介します。
自動コードには5つの方法が提供*されています。今回はスタイルまたは構造を利用する自動コードを取り上げます。
*: NVivo Windowsの場合。NVivo Macでは2つの方法を提供。
Wordで指定できるスタイル(見出しなど)または、データセットの行と列の構造を使用して、項目ごとに自動的にコードやケースを割り当てます。
文書のスタイルを使用
スタイルを利用する場合、例えばインタビューでトピックごとに見出しを入れておいたり、報告書の書式を決まったフォーマット(例:課題、原因、解決策、結果などの項目を見出しに設定)にしておくと、NVivo内で扱いやすくなります。または、インポートしたテキストファイルにNVivo内でスタイルを設定しても同様に利用できます。
スタイルを使用した自動コードはNVivo Windowsでのみの機能でMacでは使用できません。
スタイルを指定したWordファイルをNVivoにインポートしました。書式設定のないテキストファイルの場合も、NVivo内でスタイルを割り当てることができます。
対象のファイル(1件でも複数ファイルでも可能)を選択、メニュー[ホーム]タブの[自動コード]をクリック、または、右クリック→[自動コード]。
[スタイルまたは構造を使用]を選択して[次へ]。
[段落様式]を選択し、自動コードに使用するスタイル(ここでは「heading1」「heading2」)を指定。
コードを作成する場所を指定。ここでは新規コード「質問項目」の下位を指定して[終了]。
コードが作成されます。自動コードで作成したコードもは、名前の変更や色の割り当て、編集(階層化やマージ)など含め、通常のコードと同じように扱えます。
Tips – 自動コーディングウイザードのステップ2で[段落番号]を指定すると、段落番号をコード名としてコーディングされます。まず機械的に段落をコードにした上でコード名の検討をしたい場合などに利用できるかもしれません。
データセットの構造を使用
データセットの場合は、列をコードに、行をケースに割り当てられます。イメージしやすいアンケートだけではなく、例えば記事やレポートなどExcelで管理している場合や、音声・動画のトランスクリプトを話者ごとにケースにまとめる際にも利用できます。
対象のファイルを選択、メニュー[ホーム]タブの[自動コード]をクリック、または、右クリック→[自動コード]、自動コーディングウィザードのステップ1で[スタイルまたは構造を使用]を選択します。この自動コーディングのウィザードは、選択したファイルのタイプによって適したものが表示されますので、ユーザー側で指定する必要はありません。
ステップ2で列と行のいずれでコーディングするか指定します。ここでは[コード列]を指定しました。
コードとして作成する列を指定します。[終了]するとプレビューで確認できるように、デフォルトの場所(datasetというコードを親とした階層)で作成されます。コードの作成場所を変更したい場合は[次へ]。
プレビューで確認した通りにコードが作成され、該当する列のテキストがコーディングされました。
ステップ2で[コード]行を選択した場合は、コードまたはケース名として使用する列を指定します。ここでは列Aの「記事番号」を指定しています。
ケースが作成されました。
音声や動画のトランスクリプトから発言者ごとのケースに割り当てたい場合も自動コーディング[スタイルまたは構造を使用]→話者名の列を指定することで自動コードが使えます。
Macの場合
前述のようにMacでは[スタイルを使用]した自動コードはできません。データセットの場合は[自動コード]→[データセット]を選択、あとはWindowsの場合と同様の操作で実行できます。
データ収集の時点でNVivoでどのように扱うかを想定しておくと、インポートやその後の取り扱いがしやすくなります。大量のデータを集める場合は特に、この自動コード機能などを前提にデータ収集のフォーマットや書式を予め決めておくと、その後のデータ加工の手間を省けるのでお勧めです。
参考: NVivo Windows Help – Automatic coding techniques