AI Assist の紹介 -5

AI Assistを複数回に分けて紹介してきましたが、最後の記事となる今回は「コーディング」に関わる機能です。

AIによるコーディング支援

テキストセグメントにどのような名前をつけるか、どのようなサブコードに細分化できるか、コーディングは誰にとっても時間と労力のかかる作業です。AIにコーディングを任せられたらどれだけ楽か・・とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

AIはどの程度まで人間の代わりができるのか、あるいはいつか完全に人間にとって代わることができるでしょうか。さまざまなご意見や議論があることと思いますが、ここではMAXQDA AI Assistの機能面から何ができるかを紹介します。

AI Assistによるコーディング支援には、現在3つの方法が提供されています。

  • 新規コードの提案
  • サブコードの提案
  • AIコーディング(ベータ版 / 2025.3現在)

AI Assistを使ってみる – コーディング支援

新規コードの提案

ご自分がテキストを切り分けてそれぞれにコード名、つまり、その内容をどう言い表すか考えているところを想像してください。コード名を考えてるのは、誰にとっても簡単なことではないと思います。この機能では、テーマ別コード(2パターン)、解釈的コードの名前候補とその説明をAIが生成します。

文書のテキストを選択しコンテクストメニューから[AI Assist]→[選択したテキストに新規コードを提案する]。

コード名の言語を選択できます。

切り口の違うコード名の候補とその説明を示してくれますので、採用したいものにチェックを入れ、[OK]をクリックるとコーディングされます。ぴんとくるコード名がなければ、一度キャンセルして生成し直させることもできます。
コード候補は複数にチェックを入れられますので、よさそうなコード名すべてにチェックをいれておき、後で検討の上不要なものはコーディング解除する、という手順も考えらそうに思います。

コード提案時の説明はコードメモに保存されます。

実際に提案されたコード名でコーディングしなくても、自分とは違う視点での名付け候補を見てみる、という使い方もあるかもしれません。

サブコードの提案

おおまかに固まりとして取られたコードを細分化するためのアイディアを示してくれます。例えば成功という言葉から連想するストーリーを複数の対象者に語ってもらい「成功」というコードにまとめてあるとします。人によってさまざまに語っているエピソードやアイディアを分類したい、というような時に利用できます。また、サーベイデータをインポートした時に自動的にまとめられる自由記述の設問ごとのコード内を分類する場合にも使いやすいかもしれません。

コードを選択しコンテクストメニューから[AI Assist]→[サブコードを提案する]。

対象をアクティブ化した文書のみに限定したり、必要に応じて追加の指示ができます。

現時点(2025.3現在)ではコードメモに候補を上げるだけで、ここからインタラクティブにコーディングする、というわけにはいきません。今後より便利になっていくことを期待したいと思います。

サブコードの提案はスマートコーディングツールのウィンドウからも実行できます。

AI Coding(β)

ユーザーが先にコードを定義し、それに合わせてAI Assistにコーディングさせる機能です。本記事作成時点ではベータ版として提供されています。(2025.3現在)

コードメモに定義として、どのような内容のセグメントを割り当てるのか、また、コーディングする例・しない例などを記述します。

この機能は、1文書ごとに操作します。コードから操作する方法と、文書から操作する方法があります。

コードから操作する: コードを選択しコンテクストメニューから[AI Assist]→[AI Coding (beta)]

[文書ブラウザ]の一番手前に開いている文書が自動的に対象になります。
コードの定義はここで入力したり、修正したりすることもできます。

文書から操作する: 文書を選択しコンテクストメニューから[AI Assist]→[AI Coding (beta)]

対象にするコードをドラッグ&ドロップします。ここでもコードの定義の編集ができます。

どちらの操作も[OK]をクリックすると、AI Assistが定義にあてはまるセグメントを探します。この例では1セグメントが見つかりました。

該当セグメントが見つかった場合は、元のコードのサブコードとして保存されます。
文書を見てみると、なぜこのセグメントを割り当てたかがコメントとして保存されています。コーディングの解除などの操作は通常のコードと同様にできます。
まだベータ版ですが、この機能が発展していくと、コーディングしやすくなるかもしれませんね。

AI Assistの紹介は今回で終了です。
MAXQDA 24ユーザーであればAI Assist Free(1日あたりの使用量制限あり)を無料で使えますので、まずは試してみてはいかがでしょうか。

*AI Assistの機能等は記事作成時点のもので、予告なく変更となる場合があります

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