メディアファイルの取り扱い
NVivoやMAXQDAは、テキスト、サーベイ、PDF、画像、音声・動画などさまざまなフォーマットのファイルを扱えます。通常、これらのファイルは「プロジェクトファイル」にインポートされます。つまり、元のファイルはそのまま残り、それを編集、削除しても、インポートされたファイルには影響ありません。
ただし、音声・動画などのメディアファイルの場合、プロジェクトファイルのサイズが大きくなりすぎたり動作が遅くなったりするのを避けるため、プロジェクトの外部に保存できます。
また、プロジェクトファイルを共有する際には、これらのファイルをどう受け渡すかも気をつけておく必要があります。
NVivo、MAXQDAでメディアファイルがどこに保存されどのように扱われるかを紹介します。
MAXQDAの場合
音声・動画のメディアファイルは外部のフォルダに保存されます。元のファイルから外部フォルダにコピーされ、それをMAXQDAプロジェクトから参照するイメージです。また、指定したサイズを超えるPDFファイルと画像ファイルを外部フォルダに保存するよう設定できます。
保存するフォルダの設定
標準設定(デフォルト)は以下のように設定されており、バックアップ用のフォルダと外部に保存するファイルサイズは、環境設定で変更できます。
・外部フォルダ: [My documents]¥MAXQDA_Externals
・外部ファイルのバックアップ場所: [My documents]/MAXQDA/Externals
・外部に保存するPDF、画像のサイズ: 5MB以上
すべてのプロジェクトで使用する外部文書は、一つの外部フォルダーに保存されます。このようにしておくと、一つのメディアファイルを複数のプロジェクトファイルで使用する場合など作業上便利ですので、特別な理由がなければデフォルトのまま使用する方が良さそうです。プロジェクトごとにそれぞれのフォルダに外部文書を保存したいのであればプロジェクトごとの外部フォルダを作成する必要があります。
保存場所を変更した場合の動作については、文末の参考に記載しているヘルプでご確認ください。
文書にリンクしているメディアファイルのオリジナルは、文書のプロパティで確認できます。
プロジェクトファイルを移動する場合
他のMAXQDAユーザーと共有したり、普段使用するのとは別のPCで作業したりする場合は以下手順に従うと外部ファイルも併せて移動することができます。
メニュー[ホーム]→[外部ファイル]→[外部データファイルを圧縮する]
これで全ての外部ファイル全てが、プロジェクトファイルと同じ名前のzipファイルに圧縮されます。このzipファイルをプロジェクトファイル(.mx22)とともに、クラウドやUSBフラッシュメモリを利用してプロジェクトファイルを受け渡します。
ファイルを受け取ったPCでメニュー[ホーム]→[外部ファイル]→[外部データファイルを解凍する]を選択し、zipファイルを解凍すると、リンクされたファイルが外部フォルダに移動します。
または、プロジェクトファイル(.mx22)とzipファイルを同じフォルダに保存すると、MAXQDAが必要に応じて圧縮されたファイルにアクセスし解凍します。
NVivo(R1)の場合
メディアファイルをプロジェクトに埋め込むか、外部に置いたままで取り扱うかを選択できます。ファイルの数が多かったりサイズが大きかったりする場合はパフォーマンスに影響する可能性がありますので、外部フォルダに保存することをおすすめします。インポートしても外部フォルダに保存しても、コーディングなどの操作は同じです。
外部フォルダに保存するファイルサイズの設定
ファイルサイズを指定し、それを超えたメディアファイルは外部フォルダに保存するよう設定できます。デフォルトでは20MBまではプロジェクトファイルに埋め込むよう設定されています。
[ファイル]→[プロジェクトプロパティ]→[音声/動画]
Windowsの場合、[ファイル]→[アプリケーションオプション]で新規プロジェクトのデフォルトを設定できます。例えばここで「10MB」に変更しておくと、以後プロジェクトファイルを作成する際にはこの設定が使用されるようになります。
ファイルの保存場所の確認と変更
音声・動画ファイルのプロパティで確認、プロジェクトに埋め込むか埋め込まないかの選択も含め変更できます。ファイルを移動してリンクが切れた場合もここで確認、リンクを設定し直します。
音声・動画ファイルなしで作業する
メディアファイルを外部に保存していると、そのファイルを保存しているネットワークから切断された時などにプロジェクトからメディアファイルが開けなくなります。ファイルをダブルクリックするとエラーが表示されアクションを選択できます。ここでメディアファイルの場所を更新することもできますが、[メディアファイルなしで作業する]を選択するとメディアファイルなしのトランスクリプトのみで作業を続けられます。
Windowsの場合は、オプションの[現在のNVivoプロジェクトセッションでこれを記憶]を選択しておけば、現在のセッション中にメディアファイルが使用できない時はファイルなしで作業できます。
メディアファイルを使用する場合はどこに保存され、どのように扱われるかをあらかじめ確認しておくと、後日共有する際などにも安心です。
参考:
MAXQDA Online Manual – External Files
NVivo Help Windows – Audio and video
NVivo Help Mac – Audio and video