グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いたデータ収集法

グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いたデータ収集法

著者:戈木クレイグヒル滋子

A5判並製232頁
出版社: 新曜社
言語: 日本語
ISBN 978-4-7885-1371-6
発売日: 2014/2/25

書籍内容

GTA(グラウンデッド・セオリー・アプローチ)は、質的研究の代表的方法として大いに利用されるようになりました。しかしGTAは、単にマニュアルに従ってデータを分析すればよい、というものではありません。良いデータが得られなければ、良い分析はできません。本書は、研究のテーマをどう設定したらよいか、観察やインタビュー、画像データを用いてGTAに適したデータをどう収集したら良いかについて基本から丁寧に解説するとともに、著者のデータ収集トレーニングゼミでの議論を再現しながら、具体的な事例データに基づいて、実践的に勘所が学べるよう工夫されています。GTAを学び・用いる上で必読の本です。

目次

はじめに
第Ⅰ部 グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いたデータ収集法の基本

1章 日本におけるグラウンデッド・セオリー・アプローチの定着状況
1.質的研究法を用いた原著論文数の増加
2.グラウンデッド・セオリー・アプローチは正確に識別されているか
3.グラウンデッド・セオリー・アプローチは適切に用いられているか
(1)グラウンデッド・セオリー・アプローチを選択した理由の説明
(2)研究法に関する説明
(3)複数の研究法の併用
(4)データ収集
(5)データ分析
(6)新しい知見
4.けっきょくグラウンデッド・セオリー・アプローチは根付いたのか

2章 リサーチ・クエスチョンと研究の流れ
1.研究テーマの設定
2.先行研究の文献検討
3.リサーチ・クエスチョン
(1)リサーチ・クエスチョンの特徴
(2)質的研究におけるリサーチ・クエスチョン
(3)リサーチ・クエスチョンの確認をおこなう時期と内容
(4)リサーチ・クエスチョンの例
4.研究デザインと研究法の決定
5.収集するデータ項目の決定
6.研究計画書の作成と倫理申請

3章 グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いたデータ収集法
1.インタビュー法によるデータ収集
(1)データ収集の方法
(2)テクストの作成
(3)テクストの検討
2.観察法によるデータ収集
(1)「地」と「図」をとらえる
(2)テクストの作成
(3)テクストの検討
3.インタビュー法と観察法を用いて作成したテクストの統合

4章 グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いたデータ分析法
1.グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた分析法の特徴
(1)概念の抽出
(2)分析の中核となるプロパティとディメンション
(3)カテゴリー関連図
(4)分析が間違った方向に進まないための仕組み
(5)交互におこなうデータ収集と分析
2.グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた分析法の手順
(1)オープン・コーディング
(2)アキシャル・コーディング
(3)セレクティブ・コーディング

第Ⅱ部 データ収集法トレーニングゼミ

5章 データ収集法トレーニングゼミの概要
1.ゼミのねらい
2.ゼミの概要

6章 リサーチ・クエスチョンの検討
1.リサーチ・クエスチョンの立て方
2.インタビューにおけるリサーチ・クエスチョン
3.観察におけるリサーチ・クエスチョン
4.データ収集後の確認
5.院生の学び

7章 インタビューデータの収集 嶋希世子
1.インタビューの実際
2.テクストの検討
(1)自然な流れの中でインタビューが進んでいるか
(2)語り手の話を受けて、適切な質問ができているか
(3)リサーチ・クエスチョンに沿って必要なデータを収集するための舵取りができているか
(4)聞き手より語り手が話した量の方が多いか
(5)総論的な話ではなく、具体的な話を聞くことができているか
(6)リサーチ・クエスチョンに対応した答えが得られたか、それは、インタビュー前にはイメージできなかったようなものか
(7)リサーチ・クエスチョンに含まれる言葉をインタビューデータによって説明することができるか
3.リサーチ・クエスチョンの再検討
4.院生の学び

8章 映像を使った観察データ収集 安田恵美子
1.トレーニングに用いた映像データの概要
2.「地」をとらえる
(1)全体の状況をとらえる
(2)見取り図を描く
(3)時間の流れに沿って生じた出来事を書く
3.「図」をとらえる
(1)リサーチ・クエスチョンの設定
(2)リサーチ・クエスチョンに基づいた観察
4.テクストの作成
(1)リサーチ・クエスチョン設定前のテクスト
(2)リサーチ・クエスチョン設定後のテクスト
5.データ収集後の理論的サンプリング
6.院生の学び

9章 映像から収集したテクストの分析 岩田洋子
1.ゼミの概要
2.テクストの分析
(1)ラベル名の付け方
(2)カテゴリーの作り方とカテゴリー同士の関連づけ
(3)理論的比較と理論的サンプリング
3.院生の学び

10章 観察法を用いたデータ収集 安田恵美子
1.データ収集計画
2.テクストの検討
(1)「地」をとらえる
(2)「図」をとらえる
3.観察データとインタビューデータの統合
4.データ収集後の理論的サンプリング
5.院生の学び

11章 インタビューデータに観察データを加えたテクストの分析 岩田洋子
1.ゼミの概要
2.統合テクストの検討
(1)リサーチ・クエスチョンに応じた統合
(2)質の高いテクストの作成
3.統合テクストの分析
(1)ラベル名の付け方
(2)カテゴリーの作り方とカテゴリー同士の関連づけ
(3)理論的サンプリング
4.院生の学び

12章 観察法にインタビュー法を加えたデータ収集 三橋さゆり
1.研究の概要
(1)観察法とインタビュー法の併用
(2)データ収集の方法
(3)テクストの作成
2.ゼミでの検討内容
(1)データの収集
(2)テクストの作成
3.テクストの分析
4.今後のデータ収集と分析

おわりに
索  引

このサイトをフォロー

質的データ分析研究会の最新情報を受け取る

月1~2回、本サイトの更新情報、質的研究や混合研究法、ツールの使い方、イベント情報などEmailで受け取ることができます。