女性管理職者のコミュニケーション・スタイルに関する研究
2016年4月~2019年3月の期間に実施された科研費による調査(研究課題/領域番号:15K04373)の成果論文をまとめて掲載しています。
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概要
テーマ:女性管理職者のコミュニケーション・スタイルに関する研究
- 研究代表者:末田清子 (青山学院大学国際政治経済学部教授)
- 協働研究者:井上美砂 (青山学院大学国際政治経済学部兼任講師)、平山修平 (桜美林大学リベラルアーツ学群教授)
本研究では、日本の一般企業の女性管理職者を対象に質的研究を行い、彼女たちのコミュニケーション・スタイルにどのような特徴がみられるかについて探索的研究を重ねた。
本調査では、 女性管理職者および、彼女らと働いた経験をもつ協働者(合計27名)に35回の半構造化面接を実施した。調査参加者の勤務する企業は、外資・日系の企業で、業種はIT、金融、製造、サービス、広告、観光など多岐にわたる。データは、構成主義版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。
調査の結果、女性管理職者ついて以下の4点が示唆された。1)女性管理職者は職場環境を開放的で有効な場所にしようとしている、2)女性管理職者は、柔軟にそのコミュニケーション・スタイルを変えている、3)女性管理職者は、必要に応じて様々なコミュニケーション手段を使っている、4)女性管理職者に対する評価は流動的である、ことが示唆された。また1)から3)結果は、女性管理職者のコミュニケーション・スタイルを示し、その特徴からemployee-oriented (部下に配慮する)コミュニケーション・スタイルと名付けた。
出典:「女性管理職者のコミュニケーション・スタイル:表出するアイデンティティと職業観」課題番号15K04373(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-24240014/
論文
女性管理職者のコミュニケーション・スタイルに関する研究(1): 外資系IT企業における調査結果から
末田清子・井上美砂(2017)
『日本コミュニケーション研究』(日本コミュニケーション学会), 45(2),129-150.
女性管理職のコミュニケーション・スタイルに関する研究(2)―社外から管理職に就任した女性たちの新しい職場環境への適応に関する一考察―
井上美砂・末田清子(2017)
『青山国際政経論集』(青山学院大学国際政経学会)99,67-92.
女性管理職者のコミュニケーション・スタイルに関する研究(5):計量テキスト分析からの考察
平山修平・ 井上美砂・末田清子 (2018)
『言語文化研究』(桜美林論考) 9, 59-75.
※ クリックすると、桜美林大学学術機関リポジトリより、論文のPDFファイルがダウンロードされます
Japanese women managers’ employee-oriented communication styles: An analysis using constructivist grounded theory
Sueda, K. (2018)
International Journal of Business Communication
※ 全文を参照する方法は、リンク先 Sage Journals のガイドをご参照ください
女性管理職者のコミュニケーション・スタイルに関する研究(6)―流動性の低い組織における調査結果からー
井上美砂(2019)
『立教女学院短期大学紀要』50, 55-67