質的研究のためのエスノグラフィーと観察
質的研究のためのエスノグラフィーと観察
A5版 168頁
出版社: 新曜社
言語: 日本語
ISBN 978-4-7885-1476-8
発売日: 2016/4/19
書籍内容
エスノグラフィー研究をする者は、客観的なデータ収集と主観的な洞察とのバランスをとりながら、人々の日常生活の参与観察者となる―フィールドサイトの選定から報告書の作成まで、倫理的問題や21世紀のエスノグラフィーの姿にも配慮しつつ参与観察を伴うエスノグラフィー研究の鍵となる事項を具体例を示しながら掘り下げて解説。
20世紀末にかけて、エスノグラフィーの研究方法をめぐる議論は、データ収集やフィールドでの役割を見つける問題から、フィールドについて書き、フィールドから報告するという問題へとますます比重が移っていった。エスノグラフィーのデータ分析では、人々の行動、相互作用、実践のパターンを見つけることに関心が向けられるようになった。
本書では、このようなエスノグラフィーによる研究と観察研究の鍵となる事項について、掘り下げて解説されている。(本書について(ウヴェ・フリック)より)
目次
編者から(ウヴェ・フリック)
「SAGE質的研究キット」の紹介
質的研究とは何か
質的研究をどのように行うか
「SAGE質的研究キット」が扱う範囲
本書について(ウヴェ・フリック)
はじめに
1章イントロダクション─エスノグラフィーと参与観察
エスノグラフィーを用いた研究小史
社会文化理論とエスノグラフィー
エスノグラフィー─基本原理
定 義
方法としてのエスノグラフィー
産物としてのエスノグラフィー
スタイルと文脈としての参与観察
2章エスノグラフィーの有効性─エスノグラフィーの方法によって、
どのようなトピックを効果的かつ効率よく研究できるのか
エスノグラフィーの方法─その一般的有効性
エスノグラフィーによる研究の実例
エスノグラフィーの方法─研究上の特有の課題
エスノグラフィーの方法─研究の場面
3章フィールドサイトの選定
自己目録作りから始める
フィールドサイトを選ぶ
ラポール
4章フィールドでのデータ収集
「事実」と「現実」
メモ:応用的エスノグラフィーについて
3つの主要な技法の領域
観 察
インタビュー
文書研究
5章観察について
観察の定義
観察研究のタイプ
観察研究の課題
観察研究のプロセス
妥当性の問題
観察者のバイアス
公共の場所での観察
倫理と観察研究
6章エスノグラフィー・データの分析
パターン
データ分析のプロセス
メモ:エスノグラフィー・データの分析における
コンピューターの使用について
7章エスノグラフィー・データの表現方略
伝統的な学術的形式でのエスノグラフィー・データの表現
文書形式でのエスノグラフィー・データの他の表現方法
文書を超えて
8章倫理的配慮
研究に関係する倫理的配慮のレベル
制度的機構
研究倫理の個人的次元
結 論
9章21世紀のエスノグラフィー
変化しつつある研究文脈─テクノロジー
変化しつつある研究文脈─グローバリゼーション
変化しつつある研究文脈─バーチャルな世界
訳者あとがき
用語解説
文 献
人名索引
事項索引