現象学でよみとく 専門看護師のコンピテンシー
編集:井部 俊子・村上 靖彦
単行本: 236ページ
出版社: 医学書院
言語: 日本語
ISBN: 978-4-260-03886-7
発売日: 2019/5/27
書籍内容
専門看護師を目指す人や活用したい人へ。その卓越性の秘密を現象学で解き明かす
6領域9名の専門看護師(CNS)による事例をもとに、現象学者である村上氏が各CNSとのインタビューを実施。現象学的な質的研究により、そこから見えてくるCNSの行動や言葉を体系的に抽出。読者にCNSのコンピテンシーとして「看護師の目線で見えた世界」を示していく。CNSを目指す人へ、CNSを活用したいと考える管理者に向けての格好の参考書。また医療人のみならず看護サービスの利用者にも役立つ1冊。
『CNSが報告する「動画」的推論は、卓越した臨床家の実践を可視化して伝え、そのCNSが身につけ発揮しているクセや特徴(これをコンピテンシーといいたいのですが)を記述した本書は、内容的にも方法論としてもきわめて独創的であり興味深いものとなりました。
CNSをめざす大学院生の二冊目のバイブルとなること請け合いです。さらに、本書を手に取った看護管理者は、CNSの真価を知ることになります。看護提供体制を整備する責任と権限をもつ看護部長は、どのような布陣をしくかを考える格好の参考書になるでしょう。卓越した看護実践とその実践家について医療人のみならず看護サービスの利用者にも役立つものと確信いたします』
(はじめに より)
目次
はじめに
序論 インタビューと現象学的な分析─そこから見えてくるCNSについて
急性・重症患者看護
CASE 1 事例:集中治療領域における看取りの支援
現象学的分析:1.5人称の看護
CASE 2 事例:初療における自殺企図患者家族への悲嘆ケアとCNSに遺された課題
現象学的分析:想像を超えたところからやってくる出来事がもつ力を受け止める
在宅看護
CASE 3 事例:今患者に起きていることに関して,あまりにも不足する情報への違和感
現象学的分析:願いと力
老人看護
CASE 4 事例:「何とかやってます」─その人の流儀を重んじた関わり
現象学的分析:「私が入りたいのは風呂おけじゃなくて棺おけです」─意思の確認とユーモア
慢性疾患看護
CASE 5 事例:患者が水遊びをしていた頃の足の感覚の体験を捉え,“感じない” “離れている”足をEさんに近づける
現象学的分析:糖尿病の悲しい体
精神看護
CASE 6 事例:健康的な行動を強化することで,無力感を抱えた看護師のケアする意欲を引き出す
現象学的分析:薬に勝つケア
がん看護
CASE 7 事例:隠された痛みを掘り起こし対処する
現象学的分析:見えなくなる看護とスイッチを作るナース
CASE 8 事例:患者が自分らしさを取り戻すプロセスに寄り添うこと
現象学的分析:「意思決定を支援する」って簡単に使えない言葉だな
CASE 9 事例:患者が予測した嘔気のつらさを見過ごさない
現象学的分析:システム変革の黒子としてのCNS
おわりに